【教育のお金】人生のお金事情【教育編】:子どもの未来に備えるために知っておきたいこと

【教育のお金】人生のお金事情【教育編】:子どもの未来に備えるために知っておきたいこと


子どもの誕生は人生における大きな喜びであり、同時に親としての新たな責任が始まる瞬間でもあります。その中でも最も大きなテーマの一つが「教育資金の準備」です。
教育は、子どもの人生の選択肢を広げる重要な要素ですが、それには相応のお金がかかります。

「子ども一人を大学卒業まで育てるには、いったいいくら必要なのか」
「塾や習い事、私立に進学したらどうなる?」
「奨学金や支援制度の利用は?」
こうした疑問は、多くの保護者が抱える現実的な課題です。

本記事では、子育てにおける「教育費」に焦点を当て、教育にかかるお金の全体像と、その備え方、活用できる制度や具体的なアドバイスを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。


子供の学習費調査:家庭が負担する教育費の実態とは?

子供の教育にはどれくらいのお金がかかるのでしょうか?これは多くの保護者にとって関心の高いテーマです。文部科学省では、平成6年度から隔年で「子供の学習費調査」を実施しており、この調査は子供を公立または私立の学校に通わせている保護者が1年間に支出した教育費を明らかにするものです。

子供の学習費調査とは?

文部科学省が実施する「子供の学習費調査」は、全国の公立および私立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校(全日制)に通う子供たちを対象とした統計調査です。この調査は、家庭が負担する教育費の実態を把握し、教育政策や支援策を検討するための基礎資料として活用されます。

調査概要

  • 対象:全国53,025人(1,603校)の幼児・児童・生徒(有効回答数21,768人)

  • 項目:学校教育費、学校給食費、学校外活動費など、子供一人当たり年間支出額

  • 目的:保護者が負担する教育費用や世帯収入との関連性を明らかにし、国の教育施策立案に役立てる

この調査は2年ごとに実施されており、最新結果である令和5年度版では、保護者が支出した経費がさらに詳細に分析されています。

学校種別・公私別で見る年間学習費

令和5年度調査によると、公立と私立では教育費に大きな差があることが明らかになっています。以下は各学校種別ごとの年間学習費総額です。

幼稚園

  • 公立:18万4,646円(前回16万5,126円)

  • 私立:34万7,338円(前回30万8,909円)

幼稚園では、公立と私立で約2倍近い差があります。私立幼稚園では授業料以外にも行事費や制服代などが高額になる傾向があります。

小学校

  • 公立:33万6,265円(前回35万2,566円)

  • 私立:182万8,112円(前回166万6,949円)

小学校になると、公立と私立で約5倍以上もの差が生じます。特に私立小学校では独自カリキュラムや設備維持費などが加算されるため、高額になる傾向があります。

中学校

  • 公立:54万2,475円(前回53万8,799円)

  • 私立:156万359円(前回143万6,353円)

中学校では、部活動や塾通いが本格化する時期であり、公私問わず課外学習費用が増加する傾向があります。特に私立中学校では、受験対策や独自の教育プログラムにかかる費用が大きく、年間で100万円以上の差が生じています。

高等学校(全日制)

  • 公立:59万7,752円(前回51万2,971円)

  • 私立:103万283円(前回105万4,444円)

高校では、公立・私立ともに進路選択に向けた準備期間となり、多くの場合で課外学習費用がさらに増加します。私立高校は授業料だけでなく、特別講座や模試代などの負担も大きくなり、公立の約2倍近い費用がかかることがわかります。


学習費の内訳:どこにお金がかかるのか?

文部科学省の調査結果から、学習費は大きく以下の3つに分類されます。それぞれの内訳を理解することで、具体的な支出内容を把握しやすくなります。

1. 学校教育費

学校教育費には、授業料や入学金、教材費、制服代、修学旅行代などが含まれます。特に制服や指定靴などは初年度にまとまった支出となるため、進学時期には注意が必要です。また、私立校では施設維持費や寄付金など、公立にはない項目が追加される場合があります。

2. 学校給食費

公立校では給食費は比較的安価ですが、私立校では給食が提供されない場合もあり、その場合は弁当や外食などで別途費用が発生します。給食費は毎月一定額が必要になるため、長期的な予算計画に組み込む必要があります。

3. 学校外活動費

学校外活動費には、塾や予備校の月謝、家庭教師代、習い事の費用などが含まれます。特に受験対策として塾や予備校を利用する場合、その支出は年間数十万円から100万円以上になることもあります。また、部活動関連の遠征費や合宿費もこのカテゴリーに含まれます。

公立と私立でこれだけ違う!教育費の特徴

調査結果から明らかなように、公立と私立では教育費に大きな差があります。その理由を詳しく見ていきましょう。

公立学校の特徴

公立学校は授業料が無料または低額であるため、基本的な教育費負担を抑えることができます。ただし、部活動や塾通いなどの課外活動にかかる費用は公私問わず発生するため、それらを含めた総額では意外と高額になることもあります。

私立学校の特徴

私立学校は授業料が高額であるだけでなく、施設維持費や独自のプログラムに伴う追加料金が発生します。一方で、小規模クラス編成による手厚い指導や特色あるカリキュラムを提供しているため、その分だけ教育内容に付加価値があります。また、中高一貫校の場合、中学受験後から高校卒業まで一貫した教育を受けられるメリットもあります。


教育費のピークはいつ?“貯めどき”はいつなのか

教育資金の中でも、最も支出が集中するのは「高校3年〜大学進学直後」にかけての期間です。受験費用、入学金、初年度授業料、引っ越しや一人暮らしの初期費用などが一気に重なります。

このピークを前に、「いかに計画的に準備できるか」が成否を分けるポイントです。

そのためには、子どもが小さいうちから「教育費の貯めどき」を意識し、ライフプランに組み込む必要があります。具体的には、0〜12歳の間(義務教育前半期)こそ、家計に余裕が生まれやすく、貯蓄や積立の好機と言えるでしょう。


教育資金の準備方法:どう備えるのが理想的か?

1. 学資保険の活用

昔からある方法として「学資保険」があります。子どもの教育費を計画的に積み立てながら、万一の場合の保障もついてくるというものです。満期金は高校入学時や大学入学時に受け取れるよう設計されていることが多く、「貯めながら守る」タイプの資金準備です。

ただし、利率は低いため、保障重視か貯蓄重視かを見極めて選ぶ必要があります。

2. ジュニアNISA・つみたてNISA

より利回りを求めるなら、投資信託を活用した制度も検討しましょう。2023年末で新規受付を終了した「ジュニアNISA」や、親名義での「つみたてNISA」は、長期運用による資産形成に有効です。

15年〜20年という長い時間を活かし、月1万円〜2万円ずつでも積み立てていくことで、複利の力でまとまった金額を目指すことができます。

3. 定期預金・財形貯蓄

リスクを避けたい家庭では、銀行の定期預金や職場の財形貯蓄制度も選択肢です。利息は低いものの、計画的な積立という意味では有効な手段と言えます。

ポイントは「使ってしまわない仕組み」をつくること。教育費は日常の家計とは切り離して管理し、教育費専用の口座などで目的別に貯めていく工夫が大切です。


習い事や塾、教育の“選択肢”にどう向き合うか

子どもの可能性を伸ばしたい、好きなことに挑戦させたいという思いから、スポーツ・芸術・語学・プログラミングなど、多くの家庭が習い事や塾に力を入れています。

ただし、習い事や塾代は積み重なると大きな負担になります。特に中学受験や高校受験、大学受験に向けた塾や予備校の費用は、年間で数十万円に上ることも珍しくありません。

大切なのは「目的に沿った投資」であるかどうかです。周囲に合わせて“なんとなく”通わせるのではなく、子ども本人の意欲や成長と照らし合わせて判断し、「我が家にとっての最適な教育投資は何か?」を常に問い直す視点が必要です。


公的支援制度を活用しよう

教育費の負担を軽減するために、国や自治体が提供している制度や補助金を最大限活用することも、賢い家計管理には欠かせません。

就学援助制度

経済的に困窮している家庭に対して、学用品費や給食費などを補助する制度です。申請には自治体ごとの条件がありますが、知っているかどうかで大きな差が出ます。

高校無償化制度(高等学校等就学支援金)

所得制限の範囲内であれば、公立高校の授業料が実質無料になる制度です。私立でも一定額の補助が受けられます。

奨学金制度(日本学生支援機構など)

大学進学時には、給付型・貸与型の奨学金制度があります。無利子・有利子の区別や、卒業後の返済条件をしっかり確認することが重要です。

制度は年度ごとに変わる可能性があるため、こまめに情報をチェックし、早めに準備・申請することが必要です。


教育費のために避けたい落とし穴

教育費に過度な比重をかけすぎると、ほかの生活費や老後資金が圧迫されるリスクがあります。「子どものために」と思っても、親の生活が不安定になってしまっては本末転倒です。

教育費は、将来の投資であると同時に、家計全体のバランスの中で位置づけるべきものです。
子どもに最良の教育環境を整えつつ、家庭の安定も守る。どちらか一方ではなく、“両立”の視点が求められます。

また、教育費に限らず、住宅ローンや老後資金とのバランスも重要です。大きな出費は家族全体のライフプランの中で総合的に検討し、優先順位を明確にしていきましょう。


まとめ:教育は「準備の質」が結果を左右する

子どもの教育は、未来への投資です。そしてその投資の効果は、「お金をどれだけかけたか」ではなく、「どれだけ計画的に準備したか」によって左右されます。教育費は、“かけるべきとき”に“かけるべき金額”を、無理なく準備してこそ、真に価値あるものになります。

子供一人当たりの年間教育費は、公立・私立によって大きく異なるものの、その総額は非常に高額です。しかし、この全体像を正確に把握し、自分たちの家庭状況と照らし合わせて計画的な準備を行うことで、大きな負担感を軽減することが可能です。

教育とは子供への最大の投資です。そのためにも、公的支援制度や節約術などあらゆる手段を活用しながら、無理なく持続可能な形で子供たちの未来をサポートしていきましょう。今回紹介したデータと方法論を参考に、ご家庭ごとの最適解を見つけてください。子どもが自分の道を自信を持って選べるように、親としての備えと知恵が、何よりの応援になります。

「教育費のシミュレーション表」や「年齢別準備ガイド」なども

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